提供を「困った時はお互い様」と話す成田さん。たくさんの方々と「いのちのバトン」を繋いでいく社会を築いていきたいと体験談を語ってくれました。

PROFILE
成田 正弥(なりた しょうや)さん
岩手県在住
2015年ドナー登録
2019年骨髄提供
岩手県地区普及広報委員としても活動中
入院・手術の経験がなかったので、大人になってからまさか小児科に入院することになるとは思いませんでしたが、思いのほかリラックスしながら過ごしました。
採取日(2日目)には早朝にストレッチャーに乗って手術室へ運ばれました。これから始まるのかとドキドキしましたが、全身麻酔のためマスクをつけるとすぐに眠ってしまい、目覚めた時には病室のベッドの上でした。
意識がまだはっきりとしない中でコーディネーターさんが病室を訪れ、「採取した骨髄は無事に届けられました」と教えてくれました。その後すぐ眠ってしまいましたが、再度目覚めた時にその言葉を思い出して、涙がこぼれました。無事に採取を終え、患者さんの治療のため少しでも役に立てたことに心から安堵していました。
採取翌日(3日目)も安静に過ごし、4日目に退院しました。
麻酔の副作用については、採取当日の夜はめまいや吐き気が残っており、深夜に目を覚まして嘔吐することもありました。しかし、朝には体調はすっきりしていました。採取部位の腰の痛みについては、鈍痛がありましたが、トイレには歩いて行けるくらいでしたので、ほとんど気にならなかったです。採取後の入院生活には支障はありませんでした。痛みは1週間以内には消え、手術痕も1ヶ月ほどで元通りになりました。
移植を必要とする方々が適切に移植を受けられるようにするために、たくさんのドナーさんのご協力が必要です。提供意思のあるドナーさんがいるということは、たとえ選ばれなかったとしても、きっと患者さんにとっては「移植を受けられるかもしれない」という希望に繋がるはずです。
その一歩をぜひ、多くの方にともに踏み出していただけると嬉しいです。また、様々な都合により登録はできなくても、骨髄ドナーについて周囲の方との話題にして広げていただけることで、骨髄移植への関心が少しずつ高まり、地域全体で支えようという環境・社会が出来上がっていくと思います。ぜひ、たくさんの方々と「いのちのバトン」を繋いでいく社会を築いていきたいです。