明日から前処置が始まるという日になって感染症にかかり、一度は移植を中止するも、唯一のドナーさんのおかげでまもなく人生の目標を達成します。
PROFILE
牛尾 亘綱(うしお わたつな)さん
牛尾 亘綱(うしお わたつな)さん
東京都在住
30代で骨髄異形成症候群と診断。血縁者間のミニ移植を受ける。
5年後再発の診断を受け、骨髄バンクを介して移植を受ける。
最初の移植から5年が経過した最後の検査で、再発が見つかりました。この時、息子は2歳の誕生日の前日。この先、どうなるのか。もう後はない状況でした。実はこの時が、もっともつらかったです。
しかも明日から前処置が始まるという日になって感染症にかかり、高熱が出てしまいました。主治医はかなり悩んだ末、一度移植を中止する決断をしました。
ドナーの方はすでに入院されていたそうです。それから半年たって、同じドナーの方(と聞いています)とのコーディネートがうまくいき、無事移植に漕ぎつけました。唯一のドナー候補でした。
再発時は、一度目とは違い、退院しても素直に喜べませんでした。
またいつか再発するのではないか、そうなるといよいよどうなるのだろうか、と考えるとどうしようもない気持ちに、(2度目の移植から10年以上経った今でも)さいなまれる毎日です。
今でも毎月病院に通いながら10種類の薬を飲み続けています。慢性GVHDのため口内炎が酷く、二次性のがんの恐怖に怯えない日はありません。しかし、諦めて下さいと言われながら1回目の移植のあとに生まれた一人息子の子育てに邁進する日々に恵まれ、病気の恐怖を和らげてくれました。
また、リハビリと体力維持のために始めた街道歩きも、今では東海道を草津まで歩いています。もう少しで息子の住む京都にゴールインします。60歳まで生きることを人生の目標としました。60歳で息子は二十歳になるからです。
そして、とうとうその年がやってきました。これにまさる幸せはありません。
妻も私の代わりに大黒柱として収入を支えてくれています。
病気になることは不幸ですが、病気になって得るものもある、というのが実感です。












