毎号ひとりのドナー登録者さんにフォーカスし、その方の日常や支援の想いを、写真家・幡野広志さんの視点で切り取っていただく企画。34歳の若さで血液がんを発症した経験をもつ幡野さんに撮影いただいた写真は、表紙にも採用されています。ありのままのヒーロー(登録者)の姿をご覧ください!今回は、3月22日(日)に大阪で開催された『THE BANK 2026』を取材した特別回です。
人は属性によって
似てくるものだ
人は属性で雰囲気がどことなく似てくるものだ。例えば役所で働く人は公務員っぽい雰囲気がある。テレビ局やラジオ局はテレビマンやラジオマンっぽい雰囲気の人がたくさんいて、美大には美大生っぽい学生がたくさんいる。写真家もそうだ。おなじカメラから産まれたのかってぐらい似ている。

「THE BANK 2026」の会場にいたのはミュージシャンみたいな人ばかりだった。演者なのか観客なのか判別がつかない。何人かに職業を聞くと保育士やメーカー勤務などミュージシャンは1人もいなかった。

保育士さんと保育園で会えば保育士っぽく見えるし、工場でメーカー勤務の人と会えばそれっぽく見えるはずだけど、ここで会うとみんなミュージシャンに見えるから不思議だ。
一体感がもたらすものなのか、本来の雰囲気を上書きするのも音楽の力なのかもしれない。

「THE BANK」は骨髄移植によって命を救われた荒井DAZE善正さんが主催するチャリティー音楽イベントだ。会場で献血や骨髄バンクドナー登録をすることができる。

ゴツいアクセサリーや大きなタトゥーが入った人……ばかりではないが、世間一般的にはちょっと怖そうな人たちが献血や骨髄バンクドナー登録をするために列を作っている。層はまったくもって違うけどコミックマーケットと似たような状況だ。同人誌やコスプレが目的のはずなのに、行列に並ぶというコストをかけてまで献血してくれる。
ライブを目的に来たはずのちょっと怖そうな人たちが、献血後の水分補給でオレンジジュースを飲む姿を見ていると「ちょっと怖そう」なんて思ってしまい申し訳ないなと反省する。かわいらしさすらある。

ヤンキーと雨の日の子犬の組み合わせにギャップを感じるように、音楽イベントと献血と骨髄バンクドナー登録の組み合わせも見た目のインパクトのギャップが大きいので、「THE BANK」はそのうちSNSやニュースでバズって大きな話題になる気がする。

会場ではスワブでのドナー登録もしていた。(※)従来のドナー登録は採血をしていたが、スワブは口腔内の粘膜に綿棒のようなものをゴシゴシするだけで完了する。ドナー登録窓口に行く必要も採血の必要もなく、自宅に送られたキットを郵送するだけでいい。

スワブの登場でドナー登録のハードルが大きく下がることになる。ただし口腔内の粘膜であるがゆえに、飲食や喫煙をしてから1時間以内は採取できない。
直前にごはんを食べたちょっと怖そうな人が「ごめんごめん、時間あけてまた来るよ!」と立ち去って、本当にまた来てくれる。どんだけ良い人なんだ。こういう良い人たちのおかげで助かる命がある。
  • ※ スワブトライアル3は受付を終了しております。本格導入時期については、日本骨髄バンク公式HPやSNSでお知らせいたします。

骨髄バンクのアンケートに回答いただいた方向けに、オリジナルのタトゥーシールも配布していた。

2Fからはフロアが一望でき、ライブの熱気を感じながらも、自分のペースで楽しめる空間になっていた。

写真・文 幡野 広志
がん患者の率直な想いをブログやSNSで発信している写真家。34歳の若さで血液がんの一種である多発性骨髄腫を発症し、余命宣告を受けた経験を持つ。
Thank you

インタビューに協力して下さったドナーのみなさん

ツージーさん
35歳工場勤務

東日本大震災をきっかけに各地でボランティア活動を続けてきた。現在は「THE BANK」や能登での写真洗浄に継続的に参加している。2022年からTHE BANKに関わる中で、支える側から一歩踏み出し、今回ドナー登録を決意。音楽の現場とボランティアを通じて出会った奥さまとも、同じ想いを重ねながら日々を過ごしている。

恭子さん
42代事務職

会社に献血バスが来た際に献血をした経験があり、機会があれば、誰かのためにできることを続けてきた。2024年のTHE BANKでドナー登録について初めて詳しく知り、夫とともに登録を決意。音楽をきっかけに訪れた会場で、新たな支援の形に出会った。献血にも積極的なご夫婦で、日常の延長としての支え合いを自然なかたちで重ねている。

たごちゃんさん
25歳保育園勤務

大学時代、友人と参加した献血をきっかけに、「誰かのためになること」に少しずつ関わるようになった。今回で献血は10回目。THE BANKには友人の誘いで訪れ、好きな音楽とともにドナー登録を決意した。高校時代はボランティア部に所属し、献血の呼びかけも経験。ライブやフェスにも一人で足を運ぶなど、アクティブに過ごしている。

あべちゃんさん
37歳ゴミ収集員

毎朝3時40分起きの生活を送りながら、日々の仕事に向き合う。これまで献血をした経験はなかったが、ドナー登録についても事前に調べたうえで来場し、初めての献血とドナー登録を行う。音楽をきっかけに訪れたTHE BANKで、自分にもできる関わり方を見つけた。5歳から続ける空手が、その芯の強さを支えている。

ちづるさん
44歳美容師

美容師として働きながら、音楽とともに日常を過ごす。この日は、およそ20年ぶりの献血。これまで機会が合わなかったが、今回は自然な流れでドナー登録にもつながった。「お役に立てれば」という率直な気持ちからの一歩。ライブやフェスにも通い続けており、今回のTHE BANKにもDragon Ashをきっかけに足を運んだ。

美穂子さん
47歳営業職

若い頃から献血を考えていたものの、体調の都合でなかなか機会がなかった。今回は10年ぶりに献血に挑戦し、スワブでドナー登録。これまでは「いつかできたら」と思いながらも、きっかけがなかったが、今回のTHE BANKで年齢に上限があることを知り、もっと早く知っていればと感じた。家族とともに訪れた会場で、その一歩を踏み出した。

hiroさん
35歳メーカー・開発職

衛生管理に関する製品開発に携わっている。献血は今回で3回目。会社に来た献血バスや音楽イベントなど、身近な機会に参加してきた。THE BANKには、Dragon Ashを目当てに来場。7年前に大阪に移ってから音楽に触れる時間が増え、そうした場が新しい行動のきっかけにもなっている。

さん
38歳元介護助手

透析室での勤務経験もあり、献血は身近な存在だった。祖母をがんで亡くしたことをきっかけに、「自分にもできることを」と献血センターに通うように。昨年、locofrankを目当てに訪れたTHE BANKでドナー登録をし、今年も娘とともに足を運ぶ。個人で行う配信活動でも、ライブや日々の出来事を発信している。

織部さん
45歳建築関係

12年以上、献血センターに通い続けている。幼い頃から身体が弱かったこともあり、支え合いは他人事ではなかった。子どもが生まれたことをきっかけに「今」だけでなく「未来」を意識するように。自分の行動がいつか子どもに返ってくるようにと、ドナー登録に踏み出した。THE BANKにも、家族とともに初年度から通い続けている。

ドナー登録者のみなさん、HERO'S LIFEであなたのことを紹介させてください。どなたでも大丈夫です。お気軽にご連絡をお待ちしています!
※件名に「バンクニュースHERO'S LIFE」と入力ください。
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一般社団法人 
SNOWBANK
一般社団法人SNOWBANKは、音楽やスノーボードをはじめとしたカルチャーを起点に、献血や骨髄バンクのドナー登録を広げる活動を行っている団体です。若年層との接点を活かし、身近な文化と社会課題を掛け合わせることで、「誰かのための行動」を自分ごととして捉えられる場をつくり続けています。楽しさの延長にある社会貢献という新しい関わり方を提示しています。

2011年に始まった「東京雪祭SNOWBANK PAY IT FORWARD」は、代々木公園に雪の特設エリアをつくり、スノーボードや音楽、フードが一体となった都市型フェスとして展開されています。東京のど真ん中に雪景色が立ち上がり、来場者は遊びやライブを楽しみながら、献血や骨髄バンクドナー登録について知り、その場で行動につなげることができます。一方、2022年に大阪でスタートした「THE BANK」は、音楽ライブを中心としたイベントです。音楽を楽しむ体験の延長線上で自然と社会貢献に出会える場をつくることで、これまで関心のなかった人にも新たな一歩を促しています。東京と大阪、それぞれの場から“楽しさ”を入口に、命をつなぐ行動の輪が広がっています。

1979年東京都生まれ。16歳でスノーボードを始め、国内外で活動。2007年に難病「慢性活動性EBウイルス感染症」を発症し、骨髄移植を経験。復帰後、「SNOWBANK」を立ち上げる。

「社会貢献を、特別なものにしない」
自分の命は、誰かの行動でつながりました。だから次は、自分がその先の誰かへ渡していく番だと思っています。「Pay It Forward」という考え方を大切にしながら、社会貢献を特別なものにしない。音楽やスノーボードといったカルチャーの中に、その入り口をつくることで、誰もが自然に関われる形を広げていきたいと思っています。

SNOWBANK主催イベントの詳細はこちらから

SNOWBANKの活動は、「Pay It Forward」の考えのもと広がっています。公式サイトでは、その取り組みやイベント情報が紹介されています。イベントへの参加や支援など、それぞれの形で関わる一歩としてぜひご覧ください。
SNOWBANK 
公式HPはこちら
連絡が取れないことで、
命を救う機会を
失ってしまうかも
しれません。
携帯電話番号が変更になった方、
まだ登録されていない方は速やかにお手続きください。
適合通知はSMS(ショートメッセージサービス)でお送りします。
ドナー登録者の登録情報の変更は日本赤十字社へ。

それ以外のお問い合わせは
日本骨髄バンク(03-5280-1789)へお願いします。

骨髄バンクが、世の中の人にとってもっと身近になるために。正しい情報の伝え方や仕組みについてのご意見やアイデアを募集するコーナーです。

そのドナー登録、いざという時に機能しないかも?

患者さんとHLA型が一致し、「ドナー候補者」に選ばれると、スマートフォンのショートメッセージサービス(SMS)で通知が届きます。しかし、健康理由以外でコーディネートが終了となるケースのうち、約2人に1人は「連絡が取れない」ことが理由です。

そこで、みなさんに「連絡が行き届く」ためのご意見やアイデアを募集します!住所・携帯番号の更新を思い出せる仕掛け!安心して開けるSMSの最初の一文!など、なんでも構いません。ぜひ下記のリンクより、投稿をお願いいたします。

ドナー登録者が骨髄・末梢血幹細胞提供をできなかった理由
(健康以外)

下のグラフは、問診票の段階でコーディネート終了となった健康以外の理由を示したものです。

2026年3月1日、『つなげ!骨髄バンクサミット 〜未来の主役が集まり、動き出す1日〜』を開催しました。本イベントの目的は、スワブ登録の本格スタートを前に若い世代と企業が連携し、ドナー登録者を増やすための具体的なアクションを生み出すこと。

学生、ユースアンバサダー、株式会社ファミリーマート、タリーズコーヒージャパン株式会社、READYFOR株式会社、一般社団法人SNOWBANKが集結し、ラジオディレクター石井玄さんも参加。「学生には何ができるか」「企業にはどんな関わり方があるか」をぶつけ合い、実行まで見据えた複数の企画案について議論を交わしました。会場では写真家・幡野広志さんの写真展も実施。言葉だけでは届きにくい想いを受け取っていただく場として、多くの来場者が足を止めてくださっていました。今後は検討案を磨き込み、スワブ登録導入期に向けて実行と発信を積み上げていきます。
ご寄付のお願い
移植を待つ患者さんのためにお力を貸してください
ドナー登録者の
大卒業時代がやってくる?!
骨髄バンクへの登録には年齢制限があり、満55歳の誕生日で登録取り消しになってしまいます。
10年以内に現在登録している方の40%以上がいなくなってしまうという危機的状況に…!
骨髄バンクは、多くの方に提供について知って頂き、特に若い方にドナー登録を考えて頂けるよう活動しています。
課題解決のため、いただいたご寄付が
ドナー登録者を増やす活動に役立っています。
みなさまからいただいたご寄付は、ドナー登録会の開催や普及啓発資材の作成などに使用しております。より多くの患者さんに移植の機会を届けられるよう、みなさまの温かいご支援をお待ちしております。
寄付にはさまざまな方法があります
ネット募金からメルカリを使った寄付まで、手軽にご寄付いただける方法が多数ございます。
寄付の詳しい方法などは、こちらからご覧ください。
寄付についてのご相談・資料請求についてのご連絡
寄付専用フリーダイヤル(平日9:00〜17:30)